2015年より千年後のみなさまへ

小学校低学年頃初めての風景画制作、明度や彩度、透明度がわからず
どのようにしたら表現出来るのかと何度も絵具を画用紙に塗り重ね描きました。
描き続けて気が付くとどうしても作り出したい色を表現するため何度も塗り重ねたため
紙がボロボロになり非常に残念な気持ちになりました。

それでも僅かにその違いに気づき画面の中に見つけることができた時、味わったことのない喜びを感じました。

さらに奥にあるものが手前にみえようと、明るいものが暗く描かれていようと、
私の描いた風景は唯一無二と理解したことは自分だけの秘密を得たと、
今思えば私の藝術の道、第一歩だったように思います。

藝大生の頃、暗いお堂中で千年前の仏像に施されている截金を見つけた時、
キラキラと光るこれは何だろうと驚きと興奮で胸が一杯になり、
千年前の世に見ぬ人が語ってくるようでとても感動しました。

截金とは金箔を細くきった線で様々な文様に貼ったり、菱型や三角などにきった箔を貼り施す技法のことをいいます。

千年後の人に思いを馳せ、
この喜びを私にも伝えることができたらと日本の伝統技術、文化を学び作品制作に取り組んでおります。


                                                                  飯沼春子